「色の心理学」を中心に、五感を磨くメニューをご用意しているカラースクールです。
場所は、交通の便のよい京都の中心街。遠方の方には、オンライン授業のご用意もあります。
色彩心理カウンセリング協会 京都校も兼任。協会オリジナルのアイテムを使った講座もご受講いただけます。
色とお香を組み合わせた『彩り香®』の、香楽師養成講座・Zoom体験も、ここでしか受けられないオリジナルメニューです。

 京都市下京区因幡堂町651

 mail@taa-color.com

  1. T.A.Aのカラフルブログ
  2. マドンナブルー
 

マドンナブルー

2026/02/25

聖母マリアの『青』のヒミツ

マドンナブルー

美術館の静かな展示室で、聖母マリアを描いた名画の前に立ったとき、その鮮やかで深い「青」に目を奪われたことはありませんか?


その色は、いつしか敬意を込めて「マドンナブルー(Madonna Blue)」と呼ばれるようになりました。


今回は、この色の「呼び分け」と「歴史」の裏側を紐解きます。





「マドンナブルー」は、いつからそう呼ばれるの?


実は「マドンナブルー」という言葉が色名として定着したのは、19世紀以降のこと。


近代の色彩学が整う中で、古典絵画に描かれた「聖母(マドンナ)の特別な青」を指して命名されました。


それ以前、ルネサンス期の画家たちがこの色を塗るときは、原料である宝石の名を冠して「ウルトラマリン」「ラピスラズリ」と呼んでいました。



「金よりも高価」だった青の正体


なぜマリア様だけが、これほどまでに美しい青を纏っているのでしょうか。


そこには切実な「経済事情」がありました。

  • 原料は宝石: 12世紀頃から使われたこの色の正体は、アフガニスタン産のラピスラズリ。

  • 海を越えてきた: 遠く中東から運ばれるため、当時は金と同等か、それ以上の価格で取引されていました。

「最も尊い存在には、地上で最も高価な色を」。


 当時のパトロンや画家たちにとって、この青を使うこと自体が、神への最大の献身だったのです。



美術館で使える『通な呼び分け』のススメ


美術館で作品を観る際、その青をどう呼ぶかで、あなたの「着眼点」が変わります。


  • 「マドンナブルー」と呼ぶとき 聖母マリアの気高さや、色そのものが放つ「神聖なイメージ」に感動したなら、この呼び方がぴったりです。

  • 「ウルトラマリン」と呼ぶとき 画家の筆致や、絵具の「材質・発色の素晴らしさ」に注目するなら、プロフェッショナルなこの呼び方が馴染みます。

  • 「フェルメール・ブルー」と呼ぶとき 17世紀の巨匠フェルメールが、聖母ではない普通の少女にこの贅沢な青を使ったとき、それは彼の代名詞であるこの名で呼ばれます。

すべての青が「マドンナブルー」ではない?


面白いことに、中世の絵画をよく見ると、少し緑っぽく変色した青い衣のマリア様もいます。


それは予算の関係で、安価な鉱石「アズライト(藍銅鉱)」を代用した証拠かもしれません。


数百年経っても色褪せず、吸い込まれるような深みを保っている青こそが、本物のラピスラズリを使った「真のマドンナブルー」なのです。

「マドンナブルー」を検索してみると、それは1つではありません。


あなたにとっては、どの色がこの名前に相応しいと思いますか?





色に込められた「祈り」

ヨーロッパの絵画を観るとき、マリア様の衣の「青」は、特に印象に残ります。


それは単なる色彩ではなく、遠い時代の人々が宝石を砕き、海を越えて運び、祈りを込めて塗り重ねた「宝物」そのもの。


その背景を知ることで、絵画の中から新しい物語が聞こえてくるのではないでしょうか?


その絵を見ることによって、自分がどう感じるか?何を受け取るのか?

こんなちょっとした知識が、自分の中のパズルを組み立てる助けになるかもしれないですね。


カラースクールT.A.A
フジタ でした