パステルピンク
時代を超えて愛される色、パステルピンク。
パステルピンクって、誰の心も優しく包み込むような色だと思いませんか?
一見すると「ガーリーな色」と捉えられがちですが、実はその歴史は長く、時代ごとに全く異なる役割を演じてきました。
ウェブ上でカラーコードが多様なのも、この色が「単なるピンク」ではなく、美意識や社会背景を映し出すカメレオンのような色だからかもしれません。
パステルピンクがファッションの主役となった二つの時代を比較してみると、その魅力の奥深さがわかりやすいかも?
1. 豪華絢爛!ロココ宮廷の「優雅な遊び」
パステルピンクが最初に脚光を浴びたのは、18世紀のフランス宮廷、ロココ時代です。
当時の貴族文化は、バロックの重厚さから解放された、極めて優雅で軽やかなムードに包まれていました。
マリー・アントワネットに代表されるファッションは、パステルピンク、淡いブルー、クリーム色といった繊細なトーンが主役。
<ロココ時代の特徴>
着こなし:
シルクやサテンのドレス全体で淡さを表現。
フリルやレース、リボンで豪華に装飾されました。
色の役割: 強い色を使わない「淡さ」こそが、天然染料の限界を超えた、富と洗練された趣味の象徴でした。
軽やかさ、優雅さ、そして貴族特有の遊び心を表現する色だったのです。
全体的に統一感があり、夢幻的で甘いトーンでまとめられました。
この時代のパステルピンクは、まさに「宮廷の華」であり、女性らしさを極限まで高めた装いでした。
2. 進化する現代:「洗練とジェンダーレス」の表現
時は流れ、21世紀の現代。
パステルピンクは、再びファッションのトレンドカラーとして返り咲いていますが、その着こなしはロココ時代とは大きく異なります。
<現代の着こなしの特徴>
甘さの「調整」:
現代のパステルピンクは、ロココ時代のように甘さを強調するだけでなく、意図的にその甘さを引き締めたり、中和させたりする手法がとられます。
シャープなアイテムへの採用:
テーラードジャケット、トレンチコート、ワイドパンツなど、シルエットがシャープなアイテムにこの色を取り入れることで、優しさと同時に知的な洗練を表現します。
コントラストの活用:
ロココでは避けられた黒や濃いグレー、ネイビーといったモノトーンと合わせるのが主流です。
この対比が、パステルピンクを子どもっぽい印象から解放し、「大人の洗練されたピンク」へと昇華させます。
ジェンダーレス:
パステルピンクが「女性の色」という既成概念から解放され、男性のファッションにも取り入れられるようになりました。
これは、この色が持つ「優しさ」や「穏やかさ」といった、性別を超えたポジティブな感情を表現する色として再解釈された結果です。
古くからピンクは、母性・愛情・保護・共感といった『愛』を象徴してきました。
パステルピンクは、その根源にある「優しさ」や「愛らしさ」といったイメージは保ちながらも、その時代のニーズに合わせて姿を変えてきたと言えます。
ロココ時代は「優雅さを極めるための色」として。
現代は「優しさを持ちながら、社会的な強さや個性を表現する色」として。
もし今日、あなたがパステルピンクを選ぶなら、ロココのように優雅に?
あるいは現代的にシックに?
どちらのスタイルで着こなしたいですか?
数多くあるピンクの色彩心理のメッセージの中で、私が、最も大事にしているのが
『自己愛』
まずは、あなたが満たされて
満ちてあふれ出す愛で
周りを満たしてあげる‥‥‥。
時代を超えたこの色のパワーを、今日の自分のために取り入れてみませんか?
カラースクールT.A.A
ふじた でした